はじめまして、人事採用担当のMaikoです。
昨年外から見ていたフライウィールのテックブログに、まさか自分が投稿することになろうとは!
とは言え、当然ながら私はテクノロジーに明るくないため、何を書こうか悩みました…。
私は前職ではExecutive Searchという業界におりまして、いわゆるヘッドハンターでしたので、ヘッドハンターとしても企業の採用担当としても必要不可欠な候補者情報の管理について、書いてみました。
ローテクブログとしてご笑覧いただければ幸いです。
どこも深刻な人手不足!
採用担当者のみなさん、日々大変ですよね。
労働人口が減っていく日本で、優秀な人はもはやあちこちから引っ張りだこ。日本における転職のハードルもだいぶ下がりました。
逆に言えば、以前ならスキルセット違うでしょ!と思われる人でも、地頭の良さとパッションがあればなんでも出来る時代なのかも。スタートアップにもチャンスがあるってことなのかも。
そんな風にポジティブに考えて、フライウィール の採用チームも日々頑張っています。
職業病だと思いますが、私はその人がどういう人生を歩んできて、ターニングポイントはどこで、その時の意思決定要因はなんだったのか、今はどういう状態で今後は何を目指しているのか、という”ストーリー”に興味があります。皆さんそれぞれのストーリーがあり、自分にない視点や考え方があるので、刺激になることが多いです。(ただしプライベートでそれをやりすぎると、引かれます)
そこにフライウィールの採用担当として、フライウィールという組織を強くするにあたってその人がどのようにフィットするか、逆にフライウィールがその人の人生の一部となれるかどうかと言う視点が加わります。
そんなわけで、人生相談みたいな面接になることも少なくなく、大量採用には向いていないなぁと自認している一方で結果それが、フライウィールカルチャーによりマッチした方に入っていただくことにも繋がると信じています。
また私たちがいくら毎日沢山の候補者に会おうとも、その候補者にとってはフライウィールは初めての会社。私は初めて会うフライウィールの人。この会社のことを知れて、良かったなと思えるような体験を提供したいと思っています。
採用戦国時代に必要なツール
採用戦国時代と言われる昨今、企業側も人材紹介会社(以下Agency)側も、良い候補者に振り向いてもらうためには様々な工夫が必要です。
人材業界に入った当初は、採用手法に正解なんてないと思っていました。組織は生き物である以上、今でも確固たる正解はないと思っていますが、それでもある程度体系化して、施策を考えなくてはなりません。
工夫や施策をスピーディーに打ち出していくためにも、オペレーションは最大限に効率化し、テックカンパニーらしくHRだってデータを基にして傾向と対策を考えたい。その為に必要不可欠なものの一つに、ATS(Applicant Tracking System = 採用管理ツール)があると思います。
当たり前じゃないかと思われるかもしれませんが、私が入社した今年の初めは、Google スプレッドシートで候補者管理をしていました。タレントプールの情報がビジネスの根幹であるAgencyでは、ATS自社開発のところが多いような気がしますが、企業側ではそうもいきません。ATSを導入したり、スタートアップ企業では、Googleスプレッドシート を使用しているところも少なくないのではとも思います。
とは言えさすがにGoogle スプレッドシート では限界があり、特に以下の点において採用に特化したツールの必要性を感じていました。
Googleスプレッドシートで出来ないこと
- 候補者情報を全て手入力する必要がある
- ステータス、管理方法などのフレームワークを自分で考えないといけない(そしてれを作り込まないといけない)
- 候補者とのアクティビティを時系列でトラッキング出来ない
- 履歴書や職務経歴書など書類の管理が出来ない
- 面接設定の際に、Googleカレンダーなど他ツールを個別にいじらねばならず、煩雑
- 面接フィードバックが集めづらい
もしかすると技術力を駆使すればある程度解決するのかもしれませんが、当時1人でバックオフィスを担当していた私にとっては難しいことであり、ツールの導入は急務でした。
現在とあるATSにお世話になっていますが、そこに至るまでに色々と検討をした結果、個人的に思うところがあったので振り返ってみたいと思います。
企業人事目線 vs エージェント目線
話は少しズレますが、冒頭で申し上げました通り私の前職はヘッドハンターでした。その企業は外資で、業界ではそれなりに大きなところだったので、ATSは自社開発をしていました。
そのツールしか知らず、それをベースに考えていた私は、いざ検討を始めた際に大きな壁にぶつかりました。自分が想像していたものと全然違う・・・
色々と見ているうちに、ATSに関する自分の根本的な考え方の違いに気が付きました。
企業側のATSにおいては、採用プロセスに乗っている人が全て。かたやAgencyでは、タレントプールをいかに広く深く持っておくかが全てなのです。
具体的に、どのような機能がそれぞれで重要視されているのか、改めて考えてみました。
企業側ATSとして重要なこと
- 社内ステークホルダーが多いので、彼らと連携しやすいこと。面接プロセスをスムーズに回すためにも、ここは重要
- 自社サイトとの連携:自社サイトは貴重な宣伝ツールとなり、そこからの応募者情報をATSに流入させることが必要
- エージェントとの連携:同じくエージェントからの候補者情報も、エージェントに入力いただくことができ、彼らとのコミュニケーションもATS内で行うことにより、他の人も必要な際に候補者のステータス確認が可能
- 社員紹介:弊社では、社員紹介による入社が活発で、採用経路の多くを紹介が占めています。社員が紹介したい人のデータを入れられるような仕組みは必須
- 候補者とのアクティビティトラッキング:これはAgency側にも出てくる要素ですが、ここでは「採用プロセスにおけるアクティビティ」つまりプロセスが始まったあと、面接をいつ誰がして、どういう評価だったのか、ということが焦点になります
Agency側ATSとして重要なこと
- 検索機能:候補者を様々な角度(所属企業、職種、職位、希望勤務地、給与、学歴、キーワード、最終コンタクト日、最終アップデート日などなど)から検索出来る機能。様々な業種や職種に対応するAgencyにとってはとても重要
- レポート機能:これはAgencyによって異なると思いますが、候補者をご紹介する際にその方のご経歴、推薦理由などを書いたレポートをクライアントに送付するAgencyもあります。過去の面接のコメントから、レポートの自動生成など出来れば、最高ですね
- 他データベースとの連携:他のDirect Recruitingシステムとの連携が出来れば、候補者のプロフィールを把握し、連絡先を知るという意味で非常に効率が良いです
- マーケットにおける候補者の”繋がり”が見える:同業界の方々は、過去の同僚だとか、イベントで会ったことがあるとか、マーケット中では色々な繋がりがあります。Agencyは良くも悪くもマーケットの外にいるので、その繋がりが把握出来ることは大きなアドバンテージになります
- 候補者とのアクティビティトラッキング:Agencyから見るアクティビティとは「候補者とどれくらいの関係性が構築できているか」、つまりどれくらいの頻度で会ったのか、過去にどういう案件を紹介したのか、はたまたいくら連絡しても梨の礫だから諦めるべきか、などが分かることが大切です
両者の違いは気付いてみればそれもそうか、という感じなのですが、恐らく両方の良いところが合わされば、世の中の採用担当者はもっと幸せになれるのではないかと思っています。
理想の採用管理ツールとは
ではどんなツールが理想なのか。これは採用に関わる人たちで座談会をしたら、朝までコースになるトピックと思われます。
繰り返しにはなりますが、世はまさに採用戦国時代。私が思うに候補者が、いざ転職する気になった時に動き出すのでは遅いのです。
外には見えないような、候補者の中での転職フラグが立った時に、思い出される企業でありたい。そのアドバンテージは大きいはずです。
そういう意味では、企業側ATSにも先ほど挙げたようなAgency的な機能が必要になってくるのではないかと思います。
加えて、現職の社員がどのような活躍をしているか、その人は面接の際にはどうだったのかも分かれば、また一周回って採用にも役立ちます。
結果、考えていたら採用管理だけではなく、採用から入社、その人の活躍、そしてリテンションまでを視野に入れた人材管理(という言葉が正しいのか分かりませんが)が出来るツールが理想なのではという結論に私の中でなりました。
人に関するデータも、有機的に点ではなく線で可視化出来れば良いですよね。
弊社では、月に4,5人入社いただく事も珍しくなく、少人数の組織にとってその+1は非常に大きな意味を持つため、いかにスムーズに立ち上がってもらえるかは大事なポイントです。
誰が何をやらなければいけないのか、最初1ヶ月の全体像はどのようになっているか、などが整理し可視化されていれば、新入社員も受け入れる側もやりやすいと思います。
そのために弊社でもOn-boardingチェックリストなるものを作ったのですが、エンジニアのYukuが、全体プロセスを巻き込んで見事なシステムとして昇華させてくれました。それを引き継いだので、機会があればそれについても書いてみたいと思います。
おわりに
偉そうに色々と書いてしまいましたが、あくまで私個人の主観であることをご了解いただければ幸いです。
今年のアドベントカレンダーは私だけではなく、他のエンジニア以外のメンバーも参加する予定です。インターン生も参加してくれていますね!このようにフライウィールはエンジニア、ビジネス、コーポレートという各部署のメンバーが皆とても近い存在です。
またフライウィールはまだ設立2年目ではありますが、今年で20人程のメンバーが増えました。そして来年以降も一緒に成長の一翼を担っていただける仲間を、各ポジションで募集しております。ご興味のある方はお気軽にご連絡くださいね!