Data Consultant 黒川 隆雄

事業のポテンシャルに魅了され、フライウィールへ転職

新卒で入社した日経新聞では、9年にわたり新聞広告営業をメインに担当した後に、博報堂で消費財メーカーのブランド担当営業として携わりました。2回目の転職先・ファイブ(当時)では、ブランディング動画広告の営業マネージャーを務めてから、同社の買収元であるLINEに移る形で、LINEプラットフォームのデータ活用のストラテジックプランナーとして大手企業向けのマーケティングソリューションを担当し、キャリアを重ねました。その中で特に広告・マーケティング領域においてはサードパーティデータの領域に関する規制が厳しくなったこともあり、今後の動きのことを考えると、これからは相対的に活用の幅が広いファーストパーティデータ(※)に関わる方が自分にとってプラスになると思いました。

ファーストパーティデータを用いて顧客にソリューションを提供できる環境が整っているフライウィールのことを知り、事業としてのポテンシャルに魅力を感じ転職しました。

(※)サードパーティデータ:企業が自社で集めていないデータ。政府や自治体が公表しているデータ、データ収集を主としたリサーチ会社などから入手したデータ、SNSプラットフォームや広告DSPが収集するデータなどが該当する。

(※)ファーストパーティデータ:企業が自社で集めたデータ

Data Consultantの仕事は「プロジェクトの画づくり」を形にする司令塔

Data Consultantとしての私の主な仕事は、一言でいうと「プロジェクトの画(=イメージ)」を形にできるよう、全工程を管理し、進行することです。プロジェクトの初期段階においては、顧客から保有データの種別やデータ利活用によって目標などをヒアリングし、分析します。概念実証を進めながら、企業の中長期的なデータ活用戦略やプロジェクトの意図などをくみ取り、画を描く感覚で形を決めていきます。

また、Data Consultantの役割は、顧客の状況とデータのポテンシャルの両方の解像度を上げて、プロジェクトの道筋を立てることです。プロジェクトが円滑に進むようにするためにも、「顧客が提示する目標が企業にとって本当に最適か」「顧客が保有するデータで希望する目標を実現できるのか」などを、社内外のさまざまな部門とディスカッションを行うこともあります。

Data Consultantが主に携わるプロジェクトの初期段階は、「どのような人員体制でプロジェクトを進行していくのか」「フライウィールに提供いただいたデータは果たして何に使えるのか」など、プロジェクトを構成する細かい要素が定まっていません。つまりカオスです。Data Consultantはこの状況を交通整理することで、データの価値や道筋を示し、ストーリー性のある「画」として、皆で仕上げられるようサポートします。カオスな状況から形になるまでのプロセスは、個人的に非常に面白いですね。

そのほか、フライウィールには、自社のデータ活用プラットフォーム「Conata (コナタ)」があります。実際にお客さまと一緒にイメージを描いたものを、「自分たちで作れます」と言えるのが一般的なコンサルティング企業とは異なる私たちの強みであり醍醐味と言えるでしょう。

業界を横断するデータ活用が当たり前という流れを生み出したい

アメリカでは各企業がデータを持ち寄り、業界全体で商材の需要予測をしているケースが見受けられます。一方、日本企業の場合、同業他社=競合という意識がまだ根強く、他社とデータを共同で活用することを良しとする機運はまだ高まっていません。

また、日本企業のデータ活用においては、「ビジネス発展のためにはデータが重要であり、そのためには適切な形でデータ収集・蓄積することが大切」という認識は広がっているものの、実際にデータを事業価値として結びつけられている企業は多くありません。

とはいえ、今の日本では人手不足や経費削減などは業界共通の課題です。アメリカのように業界全体でデータを持ち寄り、課題解決を図るアプローチも重要だと感じています。フライウィールとしては、同業他社が一緒に取り組んだデータ活用プロジェクトが、業界を横断したデータ活用に落とし込むという流れを生み出していきたいです。特に、物流業や製造業などの人手不足が深刻な業界においては、データ活用の伸びしろはまだあるでしょう。

例えば、フライウィールでは、グループ会社・KDDIの物流センターにおいて、最適な人員配置による倉庫業務の効率化を目指すプロジェクトを進めています。同プロジェクトにおいてData Consultantは、物流センターの各システムに蓄積されたデータのポテンシャルを突き詰めたうえで、「人員シフトの最適化・効率化をデータで実現できること」を顧客に向けて提示することができました。

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翻訳する力と理解力の2つがData Consultantに求められている要素

プロジェクト初期においては、Data Consultantが仲介となり、知識・経験・立場の異なる社内外の人たちとカオスな状況の中でのコミュニケーションを取り持っているので、常に相手目線になって様々なメッセージを「翻訳する力」が求められています。例えば、顧客の要望をエンジニアに連携するときに、顧客の言葉をそのままエンジニアに伝えてもうまく伝わりません。

また顧客との議論やコミュニケーションにおいても、一定の顧客理解と業界理解がないと、技術的な情報を相手が理解しやすい表現で伝えることができません。

「相手にこの情報をどのように翻訳して伝えるべきか」ということを意識できる、またそれを楽しめる方は、Data Consultantに向いていると思います。

 

※所属・業務内容は取材時点のものです。

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