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BtoB Startup における Product Manager

こんにちは、フライウィールでプロダクトマネージャーをしているよこいです。
私は11月に入社して以来フライウィールでプロダクトマネージャーとして働いています。今回はBtoBのスタートアップにおけるプロダクトマネージャーとは何なのか、BtoC企業やBtoBの大きな企業とどこが違うのかについてこの2ヶ月弱で感じたことを書いてみようと思います。

「BtoB Startup」について

「BtoB」や「Startup」という言葉はやや広義であり、本記事では弊社の状況に合わせてやや狭義の意味で使っていることをご理解ください。
BtoBとは
「企業間での商取引のこと」というのが辞書的な意味ですが、ここでは「自社の持つ機能を活用して企業に対してソリューションを提供することでビジネスを行うこと」とします。
スタートアップとは
逆説のスタートアップ思考(SlideShare, 馬田さん著)によると
「短中期での急成長を目指す組織。新しいビジネスを模索しながら成長する。」とあります。ここではその中でも、プロダクト・ライフサイクルの序盤(Introduction, Growth)でまだPMF(プロダクト・マーケット・フィット)に到達していない段階の小規模(〜15人)な組織を指しています。
つまり本記事で書いていることは、下記のような状況では必ずしもあてはまりません。

  • toB向けSaaSモデルの製品が既に稼働している
  • いくつかの領域に対してビジネスが動いており、特定の領域においてプロダクトマネージャーが全責任を負っている

一方で、必ずしもBtoBスタートアップでなくとも、例えば以下のような状況には比較的マッチするのではないかと思います。

  • toC向けスタートアップで、まだ事業構想段階
  • CEO直属の新規事業企画組織

プロダクトマネージャーとは

さて、一般的に「プロダクトマネージャー」とはどのような職種なのでしょうか。
最近では日本でもプロダクトマネージャーカンファレンスや、プロダクトマネージャーのコミュニティがいくつか存在するなど、プロダクトマネージャーも一般的に使われる言葉になってきましたが、その定義や職務は非常に曖昧です。というのも、プロダクトマネージャーに求められる資質や職務は企業の性質によって大きく変わるものだからです。私自身もBtoCやBtoB、ベンチャーから大企業と様々な経験をする中で大きく動き方が変わることを感じています。
馬田さんのブログが詳しいので、詳細はそちらをご覧いただければと思いますが、
一言で言うと「特定のビジネスおよびプロダクトの成功のために、プロダクトマネジメントトライアングル(下記参照)にある領域を健全に機能させること」がプロダクトマネージャーの職務であると理解することができます。つまりここでのプロダクトは具体的な開発物のみではありません。Sam Altmanは Startup Playbook の中で「”プロダクト”という言葉にはユーザーと会社とのインタラクションのすべてが含まれる。あなたは卓越したサポートやすばらしいセールスなどを提供する必要がある」と述べており、この理解に近いです。

BtoB Startupにおけるプロダクトマネージャー

『「BtoB Startup」について』で述べた弊社のような状況の場合、プロダクトマネージャーは一見すると矛盾していると感じられることや、ここでいう「プロダクト」の定義はなんだろうと迷うことがあります。それぞれに対して自分なりに整理していることをお話できればと思います。

明確な「プロダクト」が固まっていない部分がある

「プロダクトマネージャーは(既存の)プロダクトをマネージする存在だ」とそのまま捉えてしまうと、「(自社の)プロダクト」として明確に定義されていない部分(弊社ではデータプラットフォームに接続した各種ソリューションはOEM提供をしています)については「プロダクト」ではないじゃん!と思ってしまいます。ただ先に述べたように「特定のビジネスおよびプロダクトの成功のために、プロダクトマネジメントトライアングルにある領域を健全に機能させること」をプロダクトマネージャーの職務と考えるとやるべきことに納得感が生まれると共に、「プロジェクトマネージャー」とは異なるスキルも多く求められていることがわかります。

CEOも「プロダクトマネージャー」である

よく PM = mini-CEO と言われることがありますが、この規模の企業においては逆もまた真なりで CEO = PM だと思っています。ビジョンや企業全体を通した戦略はCEOが考えてメンバーに道を示す必要があると思っていますが、この段階においては戦術レベルにおいてもプロダクトマネージャーはCEO(やCTO)を含めて検討し、それぞれがカバーする範囲またはカバーするスキルをその時々で明確に(かつ状況に応じて柔軟に)することが良いと考えています。

Party Manager も必要である

「PM = Party Manager」
これは昨年(2017) のプロダクトマネージャーカンファレンスで御代田さん(LINE株式会社)のプレゼンで頭に残ったフレーズです。プロダクトマネージャーはプロダクトチームのモチベーションを高め、コミュニケーションを活性化させることも成功のために重要であるという意味です。非常に納得感があり私も意識していますが、この規模の企業だとプロダクトやプロジェクトの枠を飛び越えて社内全体のモチベーションを高め、コミュニケーションを活性化させる必要があると思っています。(そもそも職種や役割によって行うことではないかもしれませんが、それでもプロダクトマネージャーは音頭を取る適切なポジションではあるでしょう。)
ただし「ゼロから始めるプロダクトマネージャー生活」にも「偽の仕事をしない」とある通り、目的と効果を忘れずにそういった企画は立てるべきではあります。

まとめ

本記事では、プロダクトマネージャーの職務についての概要から、出来たてのBtoBスタートアップにおけるプロダクトマネージャーの立ち回りについての持論を述べさせていただきました。
プロダクトマネージャーカンファレンスなどでは依然としてBtoCサービスやSaaSモデルのいわゆる『わかりやすい「プロダクト」』に対するプロダクトマネージャーの話が多く、知見をどのように適用できるか迷うこともあるかもしれません。また一方、立上げ初期の企業として職務の枠が決まっていない部分も多いと思います。その時はプロダクトマネージャーの職務を広く捉えることで、プロダクトマネージャーという職務に自信を持つことが出来ると共に、他のプロダクトマネージャーの話も新たな視点で捉えて自身の糧にしていくことができるのではないかと思っています。
次回は未定ですが、プロダクトマネジメントトライアングルの要素についてもう少し検討していきたいと思っています。

さいごに

フライウィールでは、ともにデータを人々のエネルギーに換えていくことを目指して進めていくエンジニアやプロダクトマネージャーを広く募集しています。まずは気軽に会社に遊びに来るだけでも良いので、興味を持っていただけた方はご連絡いただければと思います。
また本記事を執筆するにあたり、快く引用を許可していただいた馬田さんには大変感謝しております。ありがとうございました。(馬田さんについてもっと知りたい方はブログSlideShareをご覧ください。)