はじめに
お店に買い物に行って、店員さんからあなた個人にとって似合う商品をおすすめされた経験はありませんか?これが顧客体験のパーソナライゼーションになります。店頭では日常的に見かける光景ではないでしょうか。また店頭だけでなく、ECサイトにけるパーソナライゼーションもこれまでに取り入れられているコンセプトになります。
新しいコンセプトではないし、既に取り入れている企業も多くいる一方で、多くの企業では十分にお客様の買い物体験をパーソナライズ出来ているとは言い難い状況です。
この記事では、自社ECサイトがお客様から定着して利用されるようになるために必要な顧客体験のパーソナライズの秘訣についてご紹介します。
ECサイトにおける顧客体験のパーソナライズとは何か
80%の顧客は自身にパーソナライズされたECサイトから購入したいと考えています。このことからもECサイトにおけるパーソナライゼーションがいかに重要であるかが分かります。
ECサイトにおけるパーソナライゼーションとは、お客様一人ひとりの要望に合わせてサイトでの購買体験を提供することです。シンプルに言えば、各自の興味に合わせて、最も購入したくなるコンテンツや商品をサイト訪問者に提供することと言えます。
例えば、前回スウェットパンツを購入したお客様にフード付きのスウェットシャツを提供することです。
ECサイトにおけるパーソナライゼーションのゴールはお客さま一人ひとりの嗜好、購買体験を踏まえた上で接客することです。その体験が価値になり、結果として売上アップにつながります。もし、お客様にサイトに戻ってきて欲しい、CVRを高めたい、売上アップを図りたいと考えるなら、ECサイトのパーソナライゼーションを真剣に考えるべきです。
そのためにはデータ収集が重要になります。データがお客様の興味やニーズを教えてくれます。パーソナライゼーションのためには、次のデータを集めることが重要になります。
- 年齢や位置情報等の属性データ
- サイト内で閲覧されている商品やカテゴリ情報
- カート内商品
- 横断的なチャネル、デバイス情報
- 好まれるコミュニケーションチャネルや手段
- 過去の購入データ
- 特定のブランドの親和性や特定の時期の定期的な購入など、行動のパターン。
次にパーソナライゼーション戦略を取り入れることで得られる効果について説明していきます。
ECサイトでパーソナライゼーションを取り入れる効果
ECサイトにおいてしっかりとしたパーソナライゼーションを提供することで次のような効果が生まれていきます。
1.質の高い顧客体験
ECサイトにパーソナライゼーションを取り込むことで多くの効果が見込まれます。その中でも特に大事な点は、お客様の購買体験を向上できる点です。お客様にとって関心の少ないコンテンツ・商品をウェブサイトで提示することで、お客様が二度と自社のサイトに戻ってこない可能性があります。その代わりに、一人ひとりのお客様のニーズに基づいたぴったりのコンテンツを表示できれば、サイトで回遊する時間が増え、購入の可能性が高くなって再びサイトに戻ってくる可能性も高くなります。
ECサイトをパーソナライズ化することは、サイトの見た目や操作性を改善するよりもはるかに多くの顧客体験の向上につながります。
2.エンゲージメント向上
ECサイト上で訪問者に関連性のある商品・コンテンツを提示することで、サイト滞在時間が長くなり、商品を購入する可能性が高くなります。パーソナライゼーションによってウェブサイトにエンゲージメントを感じている証拠です。
ある調査によると、75%の消費者は自身の名前を認識しているお店よりも過去に購入した商品から追加提案をしてくれるお店から購入する傾向にあると発表されています。
ECサイトのパーソナライゼーションによって、ご自身のお客様とのより強固な関係を構築することができます。過去の購入商品や一人ひとりに合わせた嗜好性から商品を推薦することでサイト上で本来費やした、お客様の貴重な時間を節約することができます。これによりお客様はサイトへの愛着が高まるのです。このような体験を望まないユーザーはいないのではないでしょうか?
3.購入単価の向上
購入毎の購入単価はいずれのECサイトでも重要な計測指標になっています。一人ひとりに合わせた商品の推薦により、合わせ買いの可能性が高くなり1回購入あたりの単価が上がります。
商品の合わせ買いを推薦するうえで、amazon.comは分かりやすい例になります。同サイトでパソコンを購入しようとすると、合わせて、マウスやディスプレイなど、他の商品を推薦してくれます。
4.競合との差別化
パーソナライゼーションを取り入れることで競合との差別化を図れます。パーソナライゼーションが何か、どう始めればよいかを分かっている企業は少ないです。
正しいパーソナライゼーション技術を取り入れ、スタートすることで、競合よりも1歩先んじることができます。
5.価値ある顧客情報に触れることができる
パーソナライゼーションする過程で広範なデータ収集・整理を伴います。その結果、EC事業戦略を考えるうえで、非常に重要なデータにアクセスできるようになります。
例えば、お客様の一般的な好みを把握できれば、ECサイトの在庫や仕入計画に役立てることができます。倉庫に長く眠ってしまい、倉庫費用として嵩んでしまって商品を適切に防ぐことができるようになります。
またこのようなデータは、マーケティング活動にも活かすことができます。例えば、お客様へのメールマーケティングに活かしたり、ブログコンテンツやランディングページの検討にも活用することができます。その結果として、それらのマーケティング活動を通じて、より洗練したターゲティングや商品購入の可能性を高めることができます。
ECサイトのパーソナライゼーションを始める最初の一歩
ここまででECサイトにおいてパーソナライゼーションを取り入れる効用について紹介してきました。ではどこから始めるのが良いか?
ECサイトにパーソナライズ体験を導入し確実に成果を上げるための最初の一歩として、自社ECサイトの検索とレコメンデーション枠のパーソナライズ化から始めることが重要になります。
お客様一人ひとりの会員情報や、閲覧・購買履歴をもとに好まれるアイテムを推薦する。同じ検索キーワードであっても、顧客ごとの興味や嗜好によって検索結果をパーソナライズすることが可能です。
サイト内検索やレコメンドを最新の技術に置き換えることでECサイトの飛躍的な売上アップが確認されています。今回ホワイトペーパーではその秘訣をまとめてみました。ぜひ、御社にとって売上アップの秘訣を確認してみましょう。
ホワイトペーパーの無料ダウンロードはこちらから。
フライウィールへのご質問・お問い合わせはこちらのフォームからお願いします。
また、ソフトウェアエンジニア、プログラムマネージャー、プロダクトマネージャー、データサイエンティストなどの新しく価値あるプロダクトを一緒に生み出すメンバーの採用を積極的に行っています。
Author: 小西 敦士(フライウィール ビジネスデベロップメント)
流通・小売業界、エンターテイメント業界向けにデータ活用のためのコンサルティング、ソリューションを提供。前職のNTTデータでは、日本市場、欧州市場において顧客企業のデジタルトランスフォーメーション(DX)を推進。